2013年10月25日金曜日

SILENCERでの北朝鮮関係 描いてて思ったこと等

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昨日UPした内容に手直しを加えました。

最近もっぱらTwitterとかFacebookでのお知らせの方が多くなってしまって、ブログの方を全く更新しておりませんでしたので、今回はあえてこちらで。 

 

 まず、拉致問題の解決、そして被害者の方達の一日も早いご帰還を心より願います。

 

私は政治観や主張、思想を自身の作品やブログで読者様に押しつけることは好きではありません。

そして「SILENCER」は史村翔先生の原作あっての作品です。

私は作画の担当に過ぎません。

その上で、今回のエピソードにおいて、自分の立ち位置を明確にすることはどうしても避けられないことでした。

ちなみに、今回のブログにアップされた内容は

漫画家「ながてゆか」の個人的な意見を書き記しただけですので、原作の史村先生とは無関係ということだけ書き添えさせていただきます。

ご理解いただければ幸いです。

 

 

 本日発売のスペリオールに掲載されている「SILENCER」

最近扱ってきたのが北朝鮮関係なワケですが、今回のお話はそのエピローグになります。

そしてあえて北朝鮮からの脱北者の件にも若干ですが触れています。

特に今シリーズの静の敵であり、昔の仲間、8号こと野田美咲が3歳の時に拉致され、そして母親と再会するシーンは相当苦戦しました。

実際に被害に遭われて、しかも日本に奇跡的に戻られた方もいらっしゃるわけですから尚更です。

 

原作は史村翔(武論尊)先生ですが、このエピソードに関しては、作画担当の私も少々神経質にならざるを得ませんでした。

というのも、「拉致被害者」という問題には今日本が現在進行形で直面している事案でもありますから。

 ですので、特に今回の話はこの一連の話の中でも思い入れの深いものとなっております。

 

さすがに扱う題材がデリケートなだけに、私もこのシリーズに入ってからは「中途半端には描けないな」と思い、限られた時間内で脱北者の方の手記も、ざっとではありますが目を通させて頂きました。

そうはいっても、やはり漫画ですから、まずエンタメありきなのでドキュメンタリーのようにはどうしてもいきませんが・・・

 

実際にかの国に行ったわけではありませんし、作画資料も限られていたため、殆どは想像で補うしかなかったのですが、できうる限りの力を出し尽くして描いた次第です。

 

 というわけで、私自身も少額ではありますが、題材にさせていただいた拉致被害者の方々に敬意を表する意味で、支援機関である「日本ブルーリボンの会」に、いくらか寄付を致しました。

 

 

今も日本に帰ることのできない拉致被害者の方々は(所謂特定失踪者含め公表されてない方々も含めると)相当な数に上ると聞きます。

それらの方々が帰国される日が一日も早く来ることを心より願いつつ、今回のエピソードを描き上げた次第です。

 

手にとっていただければ嬉しく思います。

この一連のエピソードは年末に発売されるコミックス3巻にも収録予定です。

よろしくお願い致しますm(__)m

 

 

 

そして、こちらが今回読ませていただいた中で最も感銘を受けた本です。

北朝鮮での暮らしぶり、貧しさなどが淡々と、それでいて克明に記されており、思わず息をのんだシーンもありました。

北朝鮮の実情、拉致被害者の境遇など、知っておいて損は無いと思います。

 

"北朝鮮に嫁いで四十年 ある脱北日本人妻の手記" (斉藤博子)