2013年4月13日土曜日

「蝶獣戯譚II」終了のお知らせ

何から書けば良いのか・・・

 

結論から申しますと、現在リイド社刊「コミック乱」で連載している「蝶獣戯譚II」が五月発売号をもって終了することと相成りました。

 

理由はコミックスの売り上げが思ったよりも芳しくないこと。

 

元々、蝶獣は今は亡き「週刊コミックバンチ」という雑誌で連載されていたのですが、それが休刊と言うことになり強制終了したものです。

 

その続きを「蝶獣戯譚II」として「コミック乱」で描かせて頂いていました。

 

担当さん曰く、シリーズの売り上げ自体は若干の黒にも関わらず、他誌からの移籍という時点で、全くの新連載よりもハードルが高かったのではないかと。

これは仕方の無いことだと判っていつつ、 やはり悔しいですね。

 

私の力不足が大きかったのはその通りなのですが・・・

 

あまり内情を読者の方にばらすのもいかがなものかとは思いつつ、やはり自分の中のしこりになっている部分でもありますので、書ける所まで書いてみますと・・・

 

先ほども書いたように「蝶獣戯譚」は元々週刊コミックバンチという雑誌に連載されていたものです。

実は、元々バンチで連載される以前にバンチの休刊が決まっていました。

その知らせを受けたのは第一話掲載の直前でした。

ただ、それでも良い物を描けば次につながると思い、必死になって描きました。

結果、「コミック乱」で続編の「蝶獣戯譚II」を描くことができましたし、もう一つの連載、現在小学館のビッグコミック・スペリオールで描いている史村翔先生(武論尊)原作の「SILENCER」にもつながっているわけです。

 

なので、結果としてはプラスにはなっているのですが、いかんせん、バンチで連載する以前から既に打ち切りは決まっていたわけで、もとより他の連載作品よりも不利な立ち位置にいたのは確かです。

 

販促、宣伝の不足もあったと思うわけですが(終わる作品には単行本の部数は積めませんしね)移籍して成功している作品もあるわけですから、今となっては何を言っても愚痴になりますね・・・

 

そういう経緯を抱え「蝶獣II」を「コミック乱」ではじめさせていただいたわけです。

 

しかし移籍できたらできたで別の壁が立ちはだかっていたというわけです。

 

「移籍作品」という壁が・・・

 

移籍作品と言うことで全くの新連載と比べて初版の部数が詰めないという事情が出てきます。

 

全くの新連載であれば、おそらくあと一、二巻は続けられたかもしれません、しかし、元の部数が少ないため、増刷がかからない限り、単行本を出せば出すほど赤字になるというループに嵌まる危険がありました。

 

それは出版社としては回避しなければならないことです。

それに、作家としての私の今後にとって、マイナスになりますから。

私「ながてゆか」としての作家の数字として今後も残るわけです。

 

増刷がかからない以上、連載は続けられないという結論に達した次第です。

 

移籍作品の難しいところはまさにこの点なのです・・・

つまり、新規の作品以上の結果が求められると言うことです。

それでも移籍前の数字で単行本の部数が決まってしまうため、新規の作品よりも単行本の部数は積めません。

蝶獣はぶっちゃけ実績を作る前に打ち切られた作品です。

その実績の無かった作品を、続編という形でここまで続けさせてくれた「コミック乱」には感謝こそすれ、恨む筋合いはありません。

 

読者無視、そう思われる方もいらっしゃるでしょう、でもこの辺は何とぞご理解いただきたく・・・

出版も雑誌も、利益がなければ潰れてしまいます。

 利益を出せない作品は淘汰されていく、当然の結果です。

雑誌が潰れたら困るのは漫画家ですし・・・

 

もう一つの理由としては、私の作風が「コミック乱」の読者様に受け入れられなかったのもあると思います。

これは私の力不足としか言いようがないのですが。

お声をかけて下さった担当さんの恩に報いられないのが残念でなりません。

 

 

正直悔しいです。

でも結果は結果として受け入れるしかありません。

 

「蝶獣戯譚」は掛け値なしに、私の描きたいことを描いていたわけで、それをさせてくれていたコミック乱の編集部には感謝しています。

 

ただ、物語的に、に五月発売号で終わりにできるような流れではないので、形としては「第二部・完」という形になります。

 

そのうちまた再開できることを祈りつつ、まずは最終回まで手を抜かずに書き切っていく所存です。

 

応援して下さった読者様には本当に申し訳なく思いつつ、心よりのお礼を申し上げます。

しばらくは「スペリオール」で連載している「SILENCER」に全力を注ぎたいと思っております。

 

こちらもよろしくお願いいたします。


・・・ちょっと厳しいことも書いてしまっていますが、これは自分に言い聞かせるためと受け取っていただきたく。

空元気です。よろしくです。

 

ながて